こもれび
身体発達0〜3歳保存版

身体調和ガイド
赤ちゃんの「できる」が連鎖でつながる

首がすわる、寝返りする、離乳食を食べる、歩く、話す——。 赤ちゃんの発達は、一つひとつがバラバラではなく、連鎖しています。

このガイドでは、呼吸・摂食・運動・感覚統合の4つの領域から、 月齢ごとの発達のつながりを整理しました。 「今、この子に何が起きているのか」を知ることで、不安が安心に変わります。

?身体調和とは

身体調和(Body Harmonizing Support)とは、赤ちゃんの身体が本来持っている発達の力を、やさしいタッチで引き出すアプローチです。 岐阜県飛騨市が「まるごと健康増進」の一環として推進しており、乳幼児期の発達支援として注目されています。

現代の生活環境では、抱っこ紐やバウンサーの長時間使用、うつぶせ時間の不足など、 赤ちゃんが自然に身体を使う機会が減っています。 身体調和は、専門家でなくても家庭で実践できる方法で、赤ちゃんの発達を支えます。

大切なのは「訓練」ではなく「調和」。 赤ちゃんのペースを尊重しながら、身体が自然に次のステップへ向かう手助けをします。

4つの領域

身体調和は4つの領域で赤ちゃんの発達を捉えます。 どれか一つではなく、4つが互いに影響し合いながら育ちます。

呼吸

安定した呼吸は、すべての発達の土台。鼻呼吸が定着すると、哺乳・睡眠・情緒が安定します。

摂食

舌の使い方、唇の閉じ方、噛む力。口の発達は言葉の発達にもつながる大切な連鎖です。

運動

首すわり→寝返り→おすわり→はいはい→歩行。一つひとつの動きが、次の動きの準備になっています。

感覚統合

触れる・揺れる・見る・聞く。感覚を統合する力が育つと、身体の使い方が滑らかになります。

3分で全体像をつかむ

0〜36ヶ月を6つのステージに分けました。 それぞれの時期に「何が育っているのか」を大まかに把握できます。


月齢別ステージ

01
0〜3ヶ月呼吸摂食

呼吸と哺乳の基盤づくり

鼻呼吸の安定、哺乳のリズム、手足のばたつき。まだ目に見えにくい時期ですが、すべての発達はここから始まっています。

この時期のマイルストーン
  • 鼻呼吸が安定している
  • 哺乳時に唇をしっかり閉じられる
  • 手を口に持っていく動作がある
  • あやすと目を合わせる
  • うつぶせで一瞬頭を上げようとする

💡 知っておきたいこと: この時期の「やさしいタッチ」は、赤ちゃんの身体が外の世界に慣れる手助けになります。

02
4〜6ヶ月運動感覚統合

首すわりと寝返りの時期

首がすわり、世界が「縦」に広がります。寝返りは全身の筋肉を協調させる最初の大技。離乳食の準備も始まる頃です。

この時期のマイルストーン
  • 首がしっかりすわっている
  • うつぶせで胸を持ち上げる
  • 寝返り(片方向 → 両方向)
  • 手を伸ばしてものを掴む
  • 足を口に持っていく(体幹の柔軟性)
  • スプーンを唇で取り込む準備がある

💡 知っておきたいこと: 首すわりが十分でないまま離乳食を始めると、飲み込みがうまくいかないことがあります。運動と摂食は連動しています。

03
7〜9ヶ月摂食運動感覚統合

おすわりと離乳食中期

安定したおすわりが、両手の自由を生みます。舌は前後だけでなく上下にも動くように。食材をつぶす力が育ちます。

この時期のマイルストーン
  • 支えなしで座っていられる
  • ずりばいで移動する
  • 親指と他の指でものをつまめる
  • 舌で食べ物を上あごに押しつぶせる
  • コップから一口飲む練習ができる
  • 「ばばば」「まままm」など反復喃語が出る

💡 知っておきたいこと: 舌の上下運動は、将来の「噛む力」と「はっきり話す力」の両方につながります。離乳食は口の運動トレーニングでもあります。

04
10〜12ヶ月運動摂食

はいはいとつかまり立ち

はいはいで体幹と腕の力が鍛えられ、つかまり立ちへ。手づかみ食べが始まり、「自分で食べたい」意欲が育ちます。

この時期のマイルストーン
  • 四つばいではいはいができる
  • 家具につかまって立ち上がる
  • 手づかみで食べ物を口に運ぶ
  • 前歯で噛みとる動作がある
  • 指さしで意思を伝える
  • 簡単な言葉を理解している(「ちょうだい」など)

💡 知っておきたいこと: はいはいを十分に経験すると、肩まわりの筋力が育ち、将来のスプーンや鉛筆の操作がスムーズになります。

05
13〜18ヶ月運動摂食呼吸

歩行の確立と食べる力

歩行が安定し、行動範囲が爆発的に広がります。奥歯が生え始め、すりつぶす咀嚼ができるように。口呼吸の習慣に注意が必要な時期です。

この時期のマイルストーン
  • 一人歩きが安定する
  • しゃがんで立ち上がれる
  • スプーンを使おうとする
  • 奥歯ですりつぶすように噛む
  • ストロー・コップ飲みができる
  • 意味のある単語が出る(「ママ」「ワンワン」)

💡 知っておきたいこと: この時期に口がいつも開いていたら要注意。鼻呼吸の習慣は、歯並び・顔の発達・集中力にも影響します。

06
19〜36ヶ月運動摂食感覚統合呼吸

走る・噛む・話す

走る・跳ぶ・登るといった全身運動が豊かになり、食事では大人に近い咀嚼ができるように。言葉が爆発的に増え、4領域すべてが統合されていきます。

この時期のマイルストーン
  • 走る・階段を登る(手すりあり)
  • ジャンプする
  • 大人と同じ形状の食事を噛んで食べられる
  • 二語文・三語文が出る
  • クレヨンで丸を描く
  • 着替えを自分でやろうとする

💡 知っておきたいこと: 0〜18ヶ月で積み上げた4領域の土台が、この時期に「できること」として目に見える形になります。

※ 発達の時期には個人差があります。月齢はあくまで目安であり、 お子さまのペースを尊重することが最も大切です。


なぜ「連鎖」なのか

赤ちゃんの発達は直線ではなく、網目のようにつながっています。 ある領域の発達が、別の領域の準備になっている——その連鎖を知ると、 「なぜ今これが大切なのか」が見えてきます。

鼻呼吸の安定哺乳がスムーズに

鼻で息をしながら飲めるから

哺乳時の舌の動き離乳食で舌を使える

前後→上下→左右と舌の運動が段階的に育つ

首すわり安全に飲み込める

頭が安定すると喉の筋肉も協調する

はいはい肩・腕の筋力が育つ

体重を腕で支える経験がスプーンや鉛筆の操作につながる

噛む練習(離乳食後期)はっきり話せるようになる

咀嚼で鍛えた口の筋肉が、発音の正確さを支える

感覚遊び(触る・揺れる)バランス感覚の発達

前庭覚・固有受容覚が育つと、座る・立つ・歩くが安定する


家庭でできること

特別な道具や資格は必要ありません。 毎日のお世話の中で、少し意識を変えるだけで赤ちゃんの発達を支えられます。

やさしく触れる

お風呂あがりや着替えのとき、手足・おなか・背中をゆっくりなでる。赤ちゃんの身体認識を育てます。

うつぶせ時間をつくる

起きているときに短時間のうつぶせを。首・背中・腕の力が育ちます。嫌がったら無理せず短く。

口まわりのタッチ

授乳前に唇のまわりをやさしくトントン。哺乳の準備運動になり、舌の動きを引き出します。

話しかける・歌う

声のリズムが呼吸のリズムを整えます。赤ちゃんは声を聴きながら、口の動きも学んでいます。

抱っこのバリエーション

縦抱き・横抱き・向かい合わせ。抱き方を変えると、赤ちゃんが使う筋肉も変わります。

「待つ」を大切に

寝返りやおすわりを「させる」のではなく、赤ちゃんが自分で到達するのを見守る。プロセスそのものが発達です。

「うちの子、遅れてるかも」と感じたら。
発達のスピードは一人ひとり違います。
大切なのは月齢通りかどうかではなく、その子なりの順番で進んでいるかということ。
気になることがあれば、かかりつけ医や保健師さんに相談してください。

注意: このページは一般的な発達の目安を整理したものであり、医療的な診断・助言を目的としたものではありません。 お子さまの発達に不安がある場合は、かかりつけの小児科医・作業療法士・地域の保健センターにご相談ください。 身体調和支援(BHS)は飛騨市が推進するアプローチを参考にしています。