産後のメンタルケア
出産後に気持ちが不安定になるのは、とても自然なことです。 「つらい」と感じたら、それはあなたが弱いからではありません。 このページでは、知っておいてほしいサインと頼れる相談先をまとめました。
今、つらい気持ちを抱えている方へ
産後のつらさは、ホルモンの急激な変化・睡眠不足・生活の大きな変化が重なって起こるものです。 自分を責める必要はまったくありません。
「死にたい」「消えてしまいたい」という気持ちがある場合は、 すぐにこころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)またはよりそいホットライン(0120-279-338)にお電話ください。
📖マタニティブルーズと産後うつの違い
| マタニティブルーズ | 産後うつ | |
|---|---|---|
| 発症時期 | 産後2〜3日〜2週間以内 | 産後2週間〜数ヶ月(1年以内) |
| 持続期間 | 数日〜2週間程度で自然に改善 | 2週間以上続く(治療なしでは長期化も) |
| 頻度 | 産後の女性の50〜80%が経験 | 産後の女性の10〜15%が経験 |
| 主な症状 | 涙もろさ、気分の浮き沈み、不安、イライラ | 強い悲しみ、興味の喪失、集中力低下、不眠、食欲変化、自責感 |
| 対応 | 休養と周囲のサポートで改善することが多い | 専門家への相談・治療が必要 |
🔍こんなサインがあったら相談を
以下のような状態が2週間以上続く場合は、産後うつの可能性があります。 一つでも当てはまると感じたら、かかりつけ医や相談窓口に連絡してみてください。
- ●2週間以上、気分が落ち込んでいる・悲しい気持ちが続く
- ●赤ちゃんや物事への興味や喜びを感じられない
- ●強い疲労感が休んでも取れない
- ●眠れない、または過度に眠ってしまう
- ●食欲がない、または過食してしまう
- ●自分を責める気持ちが強い(「母親失格だ」など)
- ●集中力が低下し、日常の判断が難しい
- ●赤ちゃんへの愛情を感じられないと悩む
- ●死にたい・消えてしまいたいという気持ちが浮かぶ
🌿セルフケアの方法
セルフケアは「余裕があったらやること」ではなく、心身を守るための大切な習慣です。 すべてを実践する必要はありません。今の自分にできそうなものを一つ選んでみてください。
完璧を手放す
「よい親」の定義は人それぞれ。家事が行き届かなくても、赤ちゃんが泣き止まなくても、あなたのせいではありません
休息を最優先にする
睡眠不足はメンタルに直結します。赤ちゃんが寝ているときに一緒に休む、家事を最低限にするなど、意識的に休息をとりましょう
人とつながる
孤立はメンタルの大敵です。家族・友人との会話、地域の子育て広場、オンラインの親コミュニティなど、無理のない形で人とつながりましょう
外の空気を吸う
短い散歩でも気分転換になります。日光を浴びることはセロトニンの分泌を促し、気持ちの安定に役立ちます
自分の時間を確保する
たとえ15分でも、自分だけの時間を持つことは大切です。パートナーや家族に赤ちゃんを預けて、好きなことをする時間をつくりましょう
感情を書き出す
つらい気持ちをノートやスマホに書き出すだけでも、気持ちの整理に役立ちます。うまく言葉にならなくても大丈夫です
📞相談先一覧
こころの健康相談統一ダイヤル
地域により異なる0570-064-556
都道府県・政令指定都市の精神保健福祉センターにつながります
よりそいホットライン
24時間対応0120-279-338(24時間無料)
生活・暮らしの困りごと全般。外国語対応あり
産後ケア事業(各自治体)
自治体により異なるお住まいの市区町村に問い合わせ
宿泊型・デイサービス型・訪問型で産後の心身のケアを受けられます。2024年度から全国展開が進んでいます
子育て世代包括支援センター
自治体により異なるお住まいの市区町村に問い合わせ
妊娠期から子育て期の相談をワンストップで受け付けています。保健師・助産師が対応
産婦人科・小児科のかかりつけ医
診療時間内通院中の医療機関
健診のついでに相談できます。つらい状態を伝えることは恥ずかしいことではありません
精神科・心療内科
診療時間内地域の医療機関を検索
産後うつの治療は、カウンセリングや薬物療法が有効です。授乳中でも使える薬があります
👥パートナー・ご家族の方へ
「がんばれ」より「何をしてほしい?」
励ましの言葉が逆にプレッシャーになることがあります。具体的に何を手伝えるか聞いてみましょう
家事・育児の分担を主体的に
「手伝う」ではなく「担当する」意識が大切です。授乳以外の家事・育児は分担できます
話を聴く
解決策を提示するより、まず気持ちを受け止めることが重要です。「つらいね」「よくやってるよ」という言葉が支えになります
異変に気づく
2週間以上の気分の落ち込み、赤ちゃんへの無関心、「死にたい」という発言があったら、専門家への相談を促してください
パートナー自身のケアも
父親・パートナーにも産後うつは起こり得ます(約10%)。自分自身のメンタルにも注意を払いましょう
出典・参考情報
- [1]日本産科婦人科学会. "産後うつ病について."
- [2]厚生労働省. "産後ケア事業について."
- [3]日本周産期メンタルヘルス学会. "周産期メンタルヘルス コンセンサスガイド 2023."
- [4] Paulson JF, Bazemore SD. "Prenatal and Postpartum Depression in Fathers." JAMA. 2010;303(19):1961-1969.
免責事項: 本ページは一般的な情報提供を目的としており、医療アドバイスや診断に代わるものではありません。 心身の不調が続く場合は、医療機関や専門の相談窓口に必ずご相談ください。