こもれび
妊婦向け予防接種2026年4月〜 定期接種化

RSVワクチン(アブリスボ)
リスク・リターン判断ガイド

赤ちゃんをRSウイルスから守るための、接種前に知っておくべき情報を整理しました。 このページは判断を強制するものではなく、必要な情報を提供するためのものです。

2026年4月から定期接種(原則無料)になります

これまで全額自己負担(約3万円)だったアブリスボが、2026年4月から公費で受けられる定期接種になります。 対象は妊娠28週0日〜36週6日の妊婦で、1回の筋肉注射です。 過去の妊娠時に接種した方も対象になります。

有効性データ

81.8%

生後90日以内の重篤なRSV下気道疾患を予防

69.4%

生後180日以内の重篤なRSV感染症を予防

57.1%

重症RSV下気道感染症の予防効果

出典: MATISSE Phase 3 RCT(18ヵ国・N=7,358)、Kampmann et al. NEJM 2023

なぜ妊娠中の接種が重要なのか?

生まれたばかりの赤ちゃん自身はRSVワクチンを接種できません。 妊婦が接種することで母体でつくられた抗体が胎盤を経由して赤ちゃんに移行し、 生後最も危険な数ヶ月間を守ります。

打つリスク(副反応・懸念事項)

1

局所反応

軽度

注射部位の痛み・腫れ・発赤(約70%に出現、数日で改善)

2

全身反応

軽度

倦怠感・頭痛・筋肉痛・吐き気(約40〜50%に出現)

3

早産リスク(注意点)

管理可能

ワクチン群5.7% vs プラセボ群4.7%(統計的に有意差なし)。妊娠28〜36週の接種で対応。米国VSDデータでは4.1%と通常範囲内

4

重篤な副反応

極めてまれ

アナフィラキシー等は極めてまれ。接種後30分の院内観察で対応

5

長期安全性データ

経過観察

2023年承認のため、超長期データは今後の蓄積待ち。GBS(ギラン・バレー症候群)リスクは65歳以上の高齢者で指摘されているが、妊婦での増加は確認されていない

打たないリスク(赤ちゃんへの影響)

1

乳児の入院リスク

最重要

RSVは生後6ヶ月未満の乳児入院原因の第1位

2

乳児自身はワクチン接種不可

重要

生後数ヶ月はRSVワクチンの対象外。母体からの移行抗体が唯一の予防手段

3

重篤な下気道疾患

重要

細気管支炎・肺炎に進行するリスク。呼吸困難・酸素投与が必要になるケースも

4

早産児・低出生体重児

重要

肺機能が未成熟なため、特に重症化リスクが高い

5

NICU入院・人工呼吸の可能性

重要

最重症例では集中治療が必要。家族・経済的負担も大きい

判断の参考

積極的に検討したい場合
  • 妊娠28〜36週で流行シーズン(秋〜冬)に分娩予定
  • 早産リスクが低い
  • 赤ちゃんが冬生まれ(RSV流行時期と重なる)
  • 初産婦で育児負担を軽減したい
担当医と慎重に相談する場合
  • 早産リスクが高い(切迫早産など)
  • 28週未満での接種を検討している
  • アレルギー既往歴がある
  • 夏生まれで流行シーズンと重ならない可能性

出典・参考文献

  • [1] Kampmann B, et al. "Bivalent Prefusion F Vaccine in Pregnancy to Prevent RSV Illness in Infants." N Engl J Med. 2023;388:1451-1464.
  • [2] FDA. Abrysvo Prescribing Information. Approved August 21, 2023.
  • [3] CDC. "RSV Immunization Coverage Among Infants." MMWR. 2024;74(31).
  • [4]日本小児科学会. "RSウイルス母子免疫ワクチンに関する考え方." 2024年.
  • [5] 厚生労働省 予防接種・ワクチン分科会. RSVワクチン定期接種化決定. 2025年.
  • [6] WHO. RSVワクチン事前認証(Prequalification). 2025年3月.

免責事項: 本ページは一般的な情報提供を目的としており、医療アドバイスに代わるものではありません。 接種の可否・タイミングについては、必ず担当の産婦人科医または医療機関にご相談ください。 個人の健康状態・妊娠経過・在住地域のRSV流行状況等によって、最適な判断は異なります。