こもれび
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妊娠中の体調トラブルと病気ガイド

妊娠中は体にさまざまな変化が起こります。 「これは普通?」「受診すべき?」と迷う場面も多いですよね。 このページでは、よくある体調トラブルから注意が必要な病気まで、受診の目安とあわせて整理しています。

出血・強い腹痛・破水感はすぐ受診

妊娠中の出血、強い腹痛、破水感がある場合は、時間帯にかかわらず、すぐにかかりつけの産科に連絡してください。 夜間・休日で連絡がつかない場合は救急車を呼んでください。

妊娠中に多い体調トラブル

つわり

妊娠5〜16週ごろ

吐き気・嘔吐・食欲低下が代表的。多くは妊娠16週ごろまでに落ち着きます。水分も取れない・体重が急減する場合は「妊娠悪阻」の可能性があるため受診してください。

便秘・痔

妊娠全期

プロゲステロン(黄体ホルモン)の影響で腸の動きが鈍くなり、後期は子宮の圧迫も加わります。水分・食物繊維を意識し、改善しなければ産科で相談を。

腰痛

妊娠中期〜後期

体重増加と重心の変化、リラキシンというホルモンによる関節の緩みが原因です。骨盤ベルトの使用やストレッチが有効。痛みが強い場合は医師に相談を。

むくみ(浮腫)

特に妊娠後期

血液量の増加や子宮による血管圧迫が原因。足を高くして休む、適度な運動が有効です。急なむくみ+頭痛・視覚異常がある場合は妊娠高血圧症候群の可能性があるため、すぐに受診してください。

貧血

妊娠中期以降

胎児への鉄分供給が増え、母体が鉄欠乏性貧血になりやすくなります。立ちくらみ・動悸・息切れがあれば健診で相談を。鉄剤の処方で改善することが多いです。

注意が必要な病気

妊娠高血圧症候群

要注意

妊娠20週以降に血圧140/90mmHg以上、またはタンパク尿を伴う状態。重症化すると母子ともに危険です。頭痛・目がチカチカする・急なむくみがあればすぐに受診してください。

リスク: 母体:子癇(けいれん)、HELLP症候群。胎児:発育不全、常位胎盤早期剥離。

妊娠糖尿病

管理が必要

妊娠中に初めて発見・発症する血糖異常。妊娠中期の血糖検査(糖負荷試験)で診断されます。食事療法が基本で、必要に応じてインスリン治療を行います。

リスク: 巨大児(4,000g以上)、新生児低血糖、難産のリスク。産後に2型糖尿病に移行する可能性も。

切迫早産

安静が必要

妊娠22〜37週未満に、規則的なお腹の張りや子宮頸管の短縮が見られる状態。出血を伴うこともあります。安静が第一で、状態によっては入院・点滴治療が必要です。

リスク: 早産児は呼吸障害・低体温などのリスクがあるため、できるだけ妊娠を継続することが重要。

前置胎盤

管理入院の可能性

胎盤が子宮口の一部または全部を覆っている状態。妊娠後期に大量出血のリスクがあり、帝王切開での分娩が基本です。出血があった場合は安静にしてすぐに受診を。

リスク: 突然の大量出血により母子ともに危険になる可能性。管理入院で慎重に経過を観察します。

常位胎盤早期剥離

救急

正常な位置にある胎盤が、分娩前に子宮壁からはがれてしまう状態。突然の激しい腹痛と出血が特徴で、一刻を争う緊急事態です。

リスク: 母体:大量出血・DIC(播種性血管内凝固症候群)。胎児:酸素供給の途絶。迷わず救急車を呼んでください。

感染症に注意

風疹

妊娠初期(特に12週まで)に感染すると、胎児に先天性風疹症候群(心疾患・白内障・難聴)を引き起こすリスクがあります。

予防: 妊娠前に抗体検査を受け、抗体が低ければワクチン接種を(妊娠中は接種不可)。パートナーのワクチン接種も重要です。
トキソプラズマ

初感染の場合、胎盤を通じて胎児に感染し、先天性トキソプラズマ症(水頭症・脈絡膜網膜炎など)のリスクがあります。

予防: 生肉・加熱不十分な肉を避ける。猫のトイレ掃除は他の家族に任せる。ガーデニングは手袋を着用し、作業後はよく手を洗う。
サイトメガロウイルス(CMV)

上の子の唾液・尿などから感染することが多く、妊娠中の初感染で胎児に先天性CMV感染症(難聴・発達遅延など)を引き起こす可能性があります。

予防: 上の子の食べ残しを食べない、食器を共有しない、おむつ替え・鼻水の処理後は手洗いを徹底する。
リステリア

リステリア菌に汚染された食品から感染。妊婦は一般の人より約20倍感染しやすいとされ、流産・早産・新生児感染のリスクがあります。

予防: ナチュラルチーズ(加熱殺菌されていないもの)、生ハム・スモークサーモンなどの非加熱食肉製品を避ける。食品は十分に加熱してから食べる。

すぐ受診すべきサイン

以下の症状が一つでもあれば、すぐにかかりつけ産科に連絡してください。連絡がつかない場合は救急車(119番)を呼んでください。

  • !性器出血(量にかかわらず)
  • !強い腹痛・お腹が板のように硬くなる
  • !破水感(水っぽいおりものが止まらない)
  • !胎動の明らかな減少・消失
  • !激しい頭痛・目がチカチカする(視覚異常)
  • !38度以上の発熱
  • !急激なむくみ(顔・手がパンパンになる)

出典・参考文献

  • [1]日本産科婦人科学会. "妊娠高血圧症候群(HDP)の診療指針."
  • [2]日本糖尿病・妊娠学会. "妊娠糖尿病の診断と管理."
  • [3]国立感染症研究所. "先天性感染症(風疹・トキソプラズマ・CMV)."
  • [4]厚生労働省. "リステリアによる食中毒について."

免責事項: 本ページは一般的な情報提供を目的としており、医療アドバイスに代わるものではありません。 症状に不安がある場合は、必ずかかりつけの産科にご相談ください。